4月14日に劇場版名探偵コナン第26作「黒鉄の魚影」が公開されてからはや1週間。
ここまでのヒットを予想した人はいなかったのではないでしょうか。
「いよいよ興行収入100億円を超えるか!?」
前作「ハロウィンの花嫁」が興行収入97.4億円を記録したため、シリーズ初の興行収入100億越えが期待されていました。
ただ、蓋を開ければ公開3日間で30億円を突破(※)。
※opとしては劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」に次いで第2位
ここまでのヒットとなれば、今まで名探偵コナンに触れて来なかった人でも
「GWに観に行こっかなー」という気持ちになるのではないか。
そんな方にもっと劇場版を楽しんでいただくために、「ここだけは理解しておいてほしい」ポイントをピックアップしてお届けします!
今作の主人公
今作の主人公はズバリ
です!!
劇場版の主人公となるのは第5作目「天国へのカウントダウン」以来2回目。
コナンに登場する主要キャラの中で絶大な人気を誇っているだけに、
ファンは「待ちに待った年が来た!」とお祭り騒ぎな状態です笑
なので、まず掘り下げるのはもちろん灰原哀というキャラクターでしょう。
なぜ、人気キャラであるにも関わらず彼女は中心に据えられなかったのか。
それは、灰原哀の変化を描写するのに長い時間を要したからです。
その変化とは何か。彼女の周辺人物との関係から紐解きましょう。
灰原哀
灰原哀、本名は宮野志保。元は黒の組織のメンバーでありコードネームは「シェリー」。
工藤新一を幼児化させた薬であるAPTX4869の開発者である。しかし、組織の方針に違和感を抱き、姉である宮野明美が組織に殺されたことで対立は決定的なものに。監禁され、自殺を覚悟して彼女もAPTX4869を摂取したが幼児化。工藤邸を目指す途中で阿笠博士に発見され、現在は阿笠博士と同居中。
灰原哀の変化
彼女の変化は「生きよう」という意志を持ったことです。
コナンや少年探偵団と出会った頃は、
「自分がいる事で周りに危害が及ぶ」
「それなら自分は死んだほうがいい」
そんな考えを持っていました。
ただ、少年探偵団と関わっていく中で次第に心を開いていきます。
実際、劇場版「天国へのカウントダウン」では、
「でもこの頃私は誰だろうって思うの..。私は誰で、私の居場所はどこにあるんだろうって。私には席がないって」
これに対して、少年探偵団の面々は、灰原の席はしっかりあると背中を押してくれます。
コナンのセリフ「なっ!一人じゃないって言ったろ!」は周りの温かさを感じさせてくれるとても印象的なセリフです。
原作の話でも、
「自分の運命から...ぜってぇ逃げるんじゃねーぞ」というコナンのセリフや
「逃げてばっかじゃ勝てないもん!ぜーったい!」という歩美ちゃんのセリフなど
色んな温かさを受け取って次第に心が溶かされていき、
「生きよう」という心へと変化したのです。
今作では、この変化について深く触れられるのでぜひ知っておきたいですね!
灰原哀と宮野明美、そして毛利蘭
宮野明美は灰原哀の姉であり、幼い頃に両親を亡くした灰原にとっては唯一の家族でもありました。そんな明美は、灰原を黒の組織から解放するためにある仕事を請け負いました。
明美は、その仕事を成功させましたが、有能な科学者である灰原を組織は解放せず、ジンの手によって明美は殺されました。亡くなった今でもそんな明美のことを慕っています。
そんな明美に姿を重ねてしまうのが毛利蘭です。
灰原は最初蘭を苦手に思っていました。
なんとなく想像できると思いますが、灰原はクールなキャラで一人で行動してることが多かったのに対し、蘭はとても世話好きで優しく周りからも人気者です。
そんな対照的な二人であるがために蘭が灰原に話しかけたり、異変に気づいて看病しても素っ気ない態度をするばかりでした。
実際、灰原は自分をサメ、蘭を人気者のイルカに喩えて
「相手はイルカ...そう...海の人気者。暗く冷たい海の底から逃げてきた意地の悪いサメじゃとても歯が立たないでしょうね....」
(原作31巻,アニメ第246話より)
というセリフを残しています。
ただ決定的にそのイメージが変わることになったのが
灰原が黒の組織のメンバー「ベルモット」から狙われることになったアニメ第345話「黒の組織との真っ向勝負」です。
この話でコナンは黒の組織の本部へと乗り込むため、ベルモットを罠に嵌めることに成功しました。
ただ、
「自分がこの世からいなくなれば全ての決着がつく。」と考えた灰原は、
自分と接点を持った人に手を出さないという条件でベルモットの銃口の前にその身をさらします。
しかし、その銃口から身を挺して灰原を守ったのが蘭でした。
この時、初めて蘭に姉の面影を見たのです。
個人的には、灰原を守る時の蘭が本当に好きで、言葉よりも先に「哀ちゃんを助けたい」っていう気持ちから本能的に行動している。本当に強いし、人想いなんだなと感じる場面ですね。
・黒の組織
そして、もう一つのテーマである「黒の組織」についても知っておきましょう!
ジン・ウォッカ
言わずと知れたのっぽとちょいデブの二人組であり、コナンを幼児化させた張本人でもあります。二人とも純然たる黒であり今作でもしっかり黒の組織として暗躍しています。
ベルモット
今作の超重要人物ベルモット。しかし、「A secret makes a woman woman(女は秘密を着飾って美しくなるのよ..)」という決め台詞が表すように秘密の多い謎の女でもあります。
なんとこのベルモット
灰原とコナンの正体を知っています!
ではなぜ黒の組織にリークしていないのか。
まず一つの理由としてコナン(新一)には命を救ってもらったという強い恩義があります。
その証拠に原作ではコナンと蘭のことを「この世にたった二つの宝物」と形容しています。
ただ、灰原については執拗に追い回していて、
「組織に言ってしまってもいいのでは」という気もするでしょう。
ここは原作でも完全には明かされていないのですが、
明らかに「幼児化の事実を隠したい」というのを元に動いているのがわかります。
ベルモットの正体は、アメリカの人気女優「クリス・ヴィンヤード」です。
ただ、FBIのジョディ捜査官によると彼女の母親「シャロン・ヴィンヤード」の指紋と彼女の指紋を照合したところ一致したことがわかったのです!!
(ここについては、まだ完全な真相は明かされていないため様々な議論がなされています。
本当は二人が別人説など)
付け加えると、ジョディの両親は約30年前、ベルモットによって殺されているのですがその頃から全く見た目が老けていないんですね。
いずれにしろ、自分もなんらかの形で幼児化に関わっておりそれを組織に知られたくないという思いがあるのは確かだと思います。
ちなみに、ベルモットはボスのお気に入りです。
ボスの正体は半世紀前の大富豪「烏丸蓮耶」だと明かされていますが、彼も実年齢を考えれば140歳前後。彼も幼児化に関わっている可能性は十分に考えられます。
ラム
アニメでもつい最近、今年の3月に正体が明かされた組織のNO.2です。
表では毛利小五郎事務所の横にあるいろは寿司で板前をしており、裏では頭キレッキレの黒の組織重要人物として動いています。
コナンにとってそんな近くに組織のNO.2がいるなんて恐怖でしかないですね笑
そして、その腹心であるのが映画で初登場のピンガです。
ピンガは髪型がコーンロウだということだけは明かされています。
キール
後の二人は黒の組織に潜入している人物。
一人目はキールです。彼女の正体はCIAの諜報員であり、本名は本堂瑛海です。ある出来事をきっかけにコードネームを持つ上の階級へと昇進しました。
その「ある出来事」とは、父親であり同じCIAの諜報員、黒の組織に潜入していたイーサン本堂にキールは発信器をつけたまま会ってしまいました。外にはすでにジンの愛車ポルシェ356Aが止まっており、このままだと二人とも諜報員だとバレてしまう。
そこでイーサン本堂は、事前に用意していた自分が尋問しているMDをキールに渡して自決しました。
これにより、イーサン本堂がキールのことを尋問していたが、キールが逆に銃でイーサン本堂を射殺したと見せかけることに成功しました。
目の前で父を亡くすという壮絶な過去を持ちながら、黒の組織に潜入しているのがキールなのです。
バーボン
今や人気絶頂のバーボン。2018年のゼロの執行人以降女性人気は圧倒的ですね笑
まぁそこは一旦置いておいて...
彼の正体は公安警察であり、コナンともかなり連携をとっている強い味方です。
今作でも色々コナンのお助けキャラになってくれるかも!?
まとめ
ここまで今作「黒鉄の魚影」の主な登場人物についてまとめてみました!
もちろんここに書いたのは原作の中でほんの一部の情報に過ぎないのですが、
今回の映画を楽しむには十分です。
今作はリアリティに囚われず、色々な登場人物の心情を考えながら見ていただければきっとすごく楽しめると思います!
さらにさらに、物語の最後には思わず声が出てしまいそうなシーンがあるかも!?笑
この記事をぜひ読み込んで、劇場へと繰り出してください!!!
おまけ:事前に見た方がいい作品
もし、この記事の情報だけでは飽き足らず「原作も見たいよー!」と思う方は以下の作品をぜひ見てみてください!!
簡略コース(あまり時間はないけど何か見たい方)
・劇場版「天国へのカウントダウン」
標準コース(原作にも少し触れたい方)
簡略コース+
・黒の組織との再会 (アニメ176,177,178話)
・謎めいた乗客 (アニメ230,231話)
・網にかかった謎(アニメ246,247話)
・黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー(アニメ345話)
・お尻のマークを探せ(アニメ346,347話)
超級コース(今作の大部分を理解したい方)
標準コース+
・迷宮のフーリガン(アニメ279,280話)
・夕陽に染まった雛人形(アニメ312,313話)
・お金で買えない友情(アニメ329.330話)
・東都現象所の秘密(アニメ335,336話)
・トイレに隠した秘密(アニメ340,341話)
・イチョウ色の初恋(アニメ420,421話)
・ブラックインパクト 組織の手が届く瞬間(アニメ425話)
・漆黒の特急(アニメ701〜704話)